TINサーフェスは、境界となるオブジェクトで切り取ることができます。
単純なオブジェクトを境界としてTINサーフェスを切り取る例は下記をご覧ください。
【記事】 Civil 3D:TINサーフェスを境界で切り取る
境界となるオブジェクトには、TINサーフェスの境界も利用することができます。
ここでは、複数のサーフェスが同じ領域に作成されている状態で、一方のサーフェス境界を利用して、もう一方のサーフェスを切り取る方法を紹介します。
切り取り前の状況
下記は、現況地形サーフェス上に道路土工形状となるサーフェス(コリドーサーフェス)が作成されている状態のデータです。
道路土工形状サーフェスには、盛土法面・切土法面の両方が存在するコリドーサーフェスとなっています。
現況地形サーフェスとコリドーサーフェスを表示した場合、コリドーサーフェスの切土部分に現況地形サーフェイスが重なり見えない状態になっています。
コリドーサーフェスの輪郭に3Dオブジェクトを作成
コリドーサーフェスを選択し、[TINサーフェス]コンテキストタブ→[サーフェイスツール]→[サーフェスから抽出]→[オブジェクトを抽出]を選択します。
表示された[サーフェスからオブジェクトを抽出]ダイアログの[プロパティ]で[境界]にチェックが入っていることを確認して[OK]を選択します。
コリドーサーフェスの輪郭に3Dポリラインが作成されます。
3Dオブジェクトを用いて地形サーフェスをカットする
[ツールスペース]ー[サーフェス]ー[現況地形(カット対象サーフェス)]ー[定義] まで展開します。
表示された [境界]の文字の上で 右クリック を行い、[追加]を選択します。
[境界を追加]ダイアログが表示されたら、[タイプ]から [内側]を選択し、 「OK」 を選択します。
対象の境界オブジェクトを選択する段階になる為、作成された3Dポリラインを選択し、その後 「Enter」 キーを押します。
現況地形サーフェスをオブジェクトビューアで確認すると、指定した境界の内側がカットされていることが分かります。
現況地形サーフェスとコリドーサーフェスを表示すると、重なり部分がなくなり完成イメージのようなモデルとなります。
注意事項
現況地形サーフェスとコリドーサーフェスで土量サーフェスによる土量計算を行っている場合、計算で比較対象となっている現況地形サーフェスを切り取ると土量計算ができなくなります。
土量計算と完成イメージ形状の両方を同一ファイル内で保存したい場合は、完成イメージ用に切り抜く現況地形をLandXMLなどを使って別で用意するなどの処理が必要です。
以上が、TINサーフェスを別の境界で切り取る手順となります。