2023年12月にリリースされた新バージョン『SOLIDWORKS 2024』では、部品とフィーチャー、構造システム、板金、アセンブリ、図面、PDM、解析、下位バージョン形式の保存など、設計プロセスを効率化し、生産性を向上させる新機能が追加されました。これらの新機能により、SOLIDWORKSを最大限に活用することが可能となります。
新機能により何ができるようになるのか、そのなからいくつかをピックアップしてご紹介します。
新機能①:部品とフィーチャー
- 回転カット:[反対側をカット]オプションが追加され、輪郭外部を簡単にカットできるようになりました。
- 円筒形の境界ボックス:円筒形のコンポーネント作成に必要な棒材を見積もるために使用できます。より正確で形状に合う境界を確認できます。
- 対称線形パターン:左右対称な線形パターンはワンクリックで作成可能になりました。
- サーフェスのトリム解除:[親サーフェスを除外]オプションが追加され、トリムが解除される前のサーフェスを除外できます。
- スケッチ寸法のプレビュー:[スケッチ寸法をプレビュー]を用いることで効率的に寸法入力ができるようになりました。
- 穴ウィザード:位置選択において2Dスケッチを選択できるようになりました。
- アセンブリからマルチボディ部品を作成:アセンブリ全体を親アセンブリにリンクしたマルチボディ部品に変換できるようになりました。
新機能②:構造システム
- 自動コーナー管理:類似するコーナーが自動的にグループ化され、それぞれにコーナートリートメントが適用されます。
- [コーナーを開く]オプション:新しいコーナー処理オプションが追加され、新しい接続タイプでオープンコーナーを作成できます。これにより、「2 Way Corner Conector」という新しいコネクターにも対応できます。
- プロパティファイルの単位表示:ファイルプロパティの単位を取得し、カットリストやファイルのプロパティでアイテムのプロパティを編集して単位を適用できます。ドキュメント単位を変更すると、これらの単位も追従して更新されます。
新機能③:板金
- スロットを継続:[合致と一緒にコピー]に新オプションが追加され部品のコピー時にタブとスロットを継続できるようになりました。
- スタンプツール:強力なスタンプツールが新たに追加され、閉じた輪郭のスケッチから簡単にスタンプを作成できます。
- 展開ラインコマンド:薄肉の円筒や円錐を展開するための展開ラインコマンドが追加されました。
- 垂直にカット:タブとスロットツールを使用する際、スロットをシートに対して垂直に定義する機能が追加されました。
新機能④:アセンブリ
- 同名の合致参照同士での合致:同名の合致参照があれば、部品配置時に合致参照リストが表示され、どの位置の合致参照を使うか選択することができます。
- 同心円の[回転をロック]:同心円を選択すると[回転をロック]を有効にできます。これまでは合致後に設定する必要がありました。
- トップアセンブリからの構成部品参照の編集:トップアセンブリの右クリックメニューに[構成部品参照を編集]が追加され、構成部品毎に構成部品参照を追加できます。
- Defeatureルールセットの追加:部品の選択条件や簡略化方法としてのDefeatureタイプを事前に設定し、複数のルールをまとめて実行することができます。
- 直線/円形構成部品パターンの参照エラーの自動修復:状況依存ツールバーからワンクリックで参照エラー処理を行うことができます。
- アセンブリSTEPファイルの構成部品別インポート:開くダイアログでSTEPファイルを選択すると、[フィルターを有効にする]オプションを有効化できます。
- Extended Realityへのエクスポート:ARやVRで活用される.glbフォーマットまたは.flTFフォーマットへのエクスポートがサポートされました。
新機能⑤:図面
- 直線寸法の寸法テキストを自動でオフセット:同一直線上に複数の寸法を素早く作成・配置し、スペースが限られている場合は自動的にテキストをオフセットします。寸法が密集する箇所での寸法テキストの重なりを自動で回避し、見やすい寸法を効率よく作成します。
- 寸法の参照エンティティをハイライト:寸法にマウスカーソルを合わせると寸法が参照するモデルのエッジ、作図ジオメトリ、頂点などがハイライトされます。複雑な図面でも寸法が付加されたエンティティを簡単に確認し、寸法の読み間違いや付け間違いを防ぎます。
- 上書きされた寸法を指定色で表示:SOLIDWORKS 2024では寸法値が上書きされた寸法のみを指定した色で表示します。通常の寸法と簡単に見分けることができます。
- 「プロパティへリンク」ダイアログを開いたままにする:ダイアログを閉じることなく、複数のプロパティをリンクさせることができます。複数のプロパティを使用する注記を効率よく作成します。
- 拘束先が不明な寸法の再添付:モデルの変更などによって拘束先が不明となった寸法を簡単に修正できます。これにより、寸法修正の時間を短縮できます。
新機能⑥:PDM
- ファイルベースの操作のパフォーマンス向上:SOLIDWORKS PDM 2023と比べ、ファイルの追加、ステータスの変更、ツリーのコピーなどの操作が約2倍速くなりました。
- ステータス変更とチェックアウトの統合:ステータスを変更する際に、チェックアウト列にチェックを入れることで、ステータス変更後に自動でチェックアウトが可能になりました。
- アセンブリ可視化でのPDMプロパティ使用:アセンブリ可視化機能でPDMプロパティを使用できるようになり、より詳細な情報を表示できるようになりました。
- チェックアウト履歴の追加:チェックアウトに関する情報が履歴に記録され、データ追跡性が向上しました。
- バージョンタブの改善:ローカルバージョンと最新バージョンが分かりやすく表示されるようになりました。
- 参照情報へのアクセス制限の強化:権限の無いユーザーは参照先タブと使用先タブのファイル情報を表示できなくなりました。
- ライセンス項目の分割:ライセンス項目がサーバーリストとライセンスの使用状況に分かれ、ライセンスの詳細は特別な管理者権限無しで表示が可能となりました。
- 特定バージョンのファイルダウンロード:SOLIDWORKS PDM Web2では特定バージョンのファイルをダウンロードできるようになりました。
新機能⑦:Simulation
- モデルファイルの自動保存:メッシュ作成後と解析完了後に自動でデータを保存する機能が追加され、トラブル時でも安心して設計に集中できます。
- スタディ複製時のメッシュと結果の除外:シミュレーションスタディを複製する際にメッシュデータと結果データを除外できるようになり、作業時間とデータ容量の節約が可能になりました。
- 同一部品のメッシュ再利用:同一部品を含むアセンブリのメッシュ分割時間が短縮され、同じメッシュを再利用することで速度が向上しました。
- Intel直接スパースソルバの速度向上:大きな面に適用されるリモート変位、リモート回転のスタディの解析時間が大幅に短縮されました。
- ベアリング結合機能強化:ベアリング結合に新たに[分布]を選択できる結合タイプが追加され、より現実的なシャフトとハウジングの応力と変位を検証できるようになりました。
- 非拘束ボディの検出機能強化:拘束が不十分な部品を瞬時に表示する機能が強化され、結果をテキストとしてコピーできるようになり、他の設計者との共有が容易になりました。
新機能⑧:下位バージョン形式で保存
- 下位バージョン形式での保存:SOLIDWORKS 2024では、下位バージョン(2022、2023)のSOLIDWORKSデータ形式で保存できるようになりました。下位バージョンを使用する取引先との協業においてデータの欠落や変換ミスによるトラブルを防ぎます。
- 互換性のないアイテムの表示:下位バージョンとの互換性がないアイテムを表示し、データ修正を進めることができます。
- 自動除去アイテムの表示:指定保存後に自動で除去されるアイテムを表示し、事前の確認と編集・削除の手間を削減します。
- 一括保存機能:[Pack and Go]を使用して、図面・アセンブリの関連データを一括で下位バージョン形式に保存することができます。
SOLIDWORKS 2024の新機能を動画&資料で解説
本ページでご紹介した新バージョンSOLIDWORKS 2024の新機能を詳しく解説した動画をご用意いたしました。
新機能の用途とその効果を解説しておりますので、ぜひ動画をご覧ください。
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